第一五四回

閣第八一号

 

   鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律案

 鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律(大正七年法律第三十二号)の全部を改正する。

目次

 

 第一章 総則(第一条・第二条)

 第二章 基本指針等(第三条―第七条)

 

 第三章 鳥獣保護事業の実施

 

  第一節 鳥獣の捕獲等又は鳥類の卵の採取等の規制(第八条―第十八条)

  第二節 鳥獣の飼養、販売等の規制(第十九条―第二十七条)

 

  第三節 鳥獣保護区(第二十八条―第三十三条)

 

  第四節 休猟区(第三十四条)

 

 第四章 狩猟の適正化

  第一節 危険の予防(第三十五条―第三十八条)

  第二節 狩猟免許(第三十九条―第五十四条)

 

  第三節 狩猟者登録(第五十五条―第六十七条)

 

  第四節 猟区(第六十八条―第七十四条)

 

 第五章 雑則(第七十五条―第八十二条)

 第六章 罰則(第八十三条―第八十八条)

 

 附則

 

   第一章 総則

 (目的)

第一条 この法律は、鳥獣の保護を図るための事業を実施するとともに、鳥獣による生活環境、農林水産業又は生態系に係る被害を防止し、併せて猟具の使用に係る危険を予防することにより、鳥獣の保護及び狩猟の適正化を図り、もって生物の多様性の確保、生活環境の保全及び農林水産業の健全な発展に寄与することを通じて、自然環境の恵沢を享受できる国民生活の確保及び地域社会の健全な発展に資することを目的とする。

 

 (定義)

 

第二条 この法律において「鳥獣」とは、鳥類又は 哺乳類に属する野生動物をいう。

 

2 この法律において「法定猟法」とは、銃器(装薬銃及び空気銃(圧縮ガスを使用するものを含む。以下同じ。)をいう。以下同じ。)、網又はわなであって環境省令で定めるものを使用する猟法その他環境省令で定める猟法をいう。

 

3 この法律において「狩猟鳥獣」とは、その肉又は毛皮を利用する目的、生活環境、農林水産業又は生態系に係る被害を防止する目的その他の目的で捕獲等(捕獲又は殺傷をいう。以下同じ。)の対象となる鳥獣(鳥類のひなを除く。)であって、その捕獲等がその生息の状況に著しく影響を及ぼすおそれのないものとして環境省令で定めるものをいう。

 

4 この法律において「狩猟」とは、法定猟法により、狩猟鳥獣の捕獲等をすることをいう。

 

5 この法律において「狩猟期間」とは、毎年十月十五日(北海道にあっては、毎年九月十五日)から翌年四月十五日までの期間で狩猟鳥獣の捕獲等をすることができる期間をいう。

 

6 環境大臣は、第三項の環境省令を定め、又はこれを変更しようとするときは、あらかじめ、公聴会を開いて利害関係人の意見を聴いた上で、農林水産大臣に協議するとともに、中央環境審議会の意見を聴かなければならない。

 

 

   第二章 基本指針等

 (基本指針)

第三条 環境大臣は、鳥獣の保護を図るための事業(第三十五条第一項に規定する銃猟禁止区域及び銃猟制限区域並びに第六十八条第一項に規定する猟区に関する事項を含む。以下「鳥獣保護事業」という。)を実施するための基本的な指針(以下「基本指針」という。)を定めるものとする。

 

2 基本指針においては、次に掲げる事項について定めるものとする。

 

 一 鳥獣保護事業の実施に関する基本的事項

 

 二 次条第一項に規定する鳥獣保護事業計画において同条第二項第一号の鳥獣保護事業計画の計画期間を定めるに当たって遵守すべき基準その他当該鳥獣保護事業計画の作成に関する事項

 

 三 その他鳥獣保護事業を実施するために必要な事項

 

3 環境大臣は、基本指針を定め、又はこれを変更しようとするときは、あらかじめ、農林水産大臣に協議するとともに、中央環境審議会の意見を聴かなければならない。

 

4 環境大臣は、基本指針を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。

 

 (鳥獣保護事業計画)

 

第四条 都道府県知事は、基本指針に即して、当該都道府県知事が行う鳥獣保護事業の実施に関する計画(以下「鳥獣保護事業計画」という。)を定めるものとする。

 

2 鳥獣保護事業計画においては、次に掲げる事項を定めるものとする。

 

 一 鳥獣保護事業計画の計画期間

 

 二 第二十八条第一項の規定により都道府県知事が指定する鳥獣保護区、第二十九条第一項に規定する特別保護地区及び第三十四条第一項に規定する休猟区に関する事項

 

 三 鳥獣の人工増殖(人工的な方法により鳥獣を増殖させることをいう。以下同じ。)及び放鳥獣(鳥獣の保護のためにその生息地に当該鳥獣を解放することをいう。以下同じ。)に関する事項

 

 四 第九条第一項の許可(鳥獣による生活環境、農林水産業又は生態系に係る被害の防止の目的に係るものに限る。)に関する事項

 

 五 第三十五条第一項に規定する銃猟禁止区域及び銃猟制限区域並びに第六十八条第一項に規定する猟区に関する事項

 

 六 第七条第一項に規定する特定鳥獣保護管理計画を作成する場合においては、その作成に関する事項

 

 七 鳥獣の生息の状況の調査に関する事項

 

 八 鳥獣保護事業に関する普及啓発に関する事項

 

 九 鳥獣保護事業の実施体制に関する事項

 

 十 その他鳥獣保護事業の実施のために必要な事項

 

3 都道府県知事は、鳥獣保護事業計画を定め、又はこれを変更しようとするときは、あらかじめ、自然環境保全法(昭和四十七年法律第八十五号)第五十一条の規定により置かれる審議会その他の合議制の機関(以下「合議制機関」という。)の意見を聴かなければならない。

 

4 都道府県知事は、鳥獣保護事業計画を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表するとともに、環境大臣に報告しなければならない。

 

 (鳥獣保護事業計画の達成の推進)

 

第五条 都道府県知事は、鳥獣保護事業計画の達成に必要な措置を講ずるものとする。

 

 (国の援助)

 

第六条 国は、都道府県知事が、鳥獣保護事業計画に定められた事業を実施しようとするときは、当該事業が円滑に実施されるように必要な助言その他の援助の実施に努めるものとする。

 

 (特定鳥獣保護管理計画)

 

第七条 都道府県知事は、当該都道府県の区域内においてその数が著しく増加又は減少している鳥獣がある場合において、当該鳥獣の生息の状況その他の事情を勘案して長期的な観点から当該鳥獣の保護を図るため特に必要があると認めるときは、当該鳥獣(以下「特定鳥獣」という。)の保護のための管理(以下「保護管理」という。)に関する計画(以下「特定鳥獣保護管理計画」という。)を定めることができる。

 

2 特定鳥獣保護管理計画においては、次に掲げる事項を定めるものとする。

 

 一 特定鳥獣の種類

 

 二 特定鳥獣保護管理計画の計画期間

 

 三 特定鳥獣の保護管理が行われるべき区域

 

 四 特定鳥獣の保護管理の目標

 

 五 特定鳥獣の数の調整に関する事項

 

 六 特定鳥獣の生息地の保護及び整備に関する事項

 

 七 その他特定鳥獣の保護管理のために必要な事項

 

3 特定鳥獣保護管理計画は、鳥獣保護事業計画に適合したものでなければならない。

 

4 都道府県知事は、特定鳥獣保護管理計画を定め、又はこれを変更しようとするときは、あらかじめ、公聴会を開いて利害関係人の意見を聴かなければならない。

 

5 都道府県知事は、特定鳥獣保護管理計画を定め、又はこれを変更しようとする場合において、次に掲げるときは、あらかじめ、環境大臣に協議しなければならない。

 

 一 その特定鳥獣が特に保護を図る必要があるものとして環境省令で定める鳥獣(以下「希少鳥獣」という。)であるとき。

 

 二 第二項第三号に掲げる区域内に第二十八条第一項の規定により環境大臣が指定する鳥獣保護区があるとき。

 

6 都道府県知事は、特定鳥獣保護管理計画を定め、又はこれを変更しようとするときは、あらかじめ、関係地方公共団体と協議しなければならない。

 

7 第四条第三項及び第四項の規定は、特定鳥獣保護管理計画について準用する。

 

 

   第三章 鳥獣保護事業の実施

 

第一節 鳥獣の捕獲等又は鳥類の卵の採取等の規制

 

 (鳥獣の捕獲等及び鳥類の卵の採取等の禁止)

第八条 鳥獣及び鳥類の卵は、捕獲等又は採取等(採取又は損傷をいう。以下同じ。)をしてはならない。

 

 ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。

 一 次条第一項の許可を受けてその許可に係る捕獲等又は採取等をするとき。

 二 第十一条第一項の規定により狩猟鳥獣の捕獲等をするとき。

 

 三 第十三条第一項の規定により同項に規定する鳥獣又は鳥類の卵の捕獲等又は採取等をするとき。

 

 (鳥獣の捕獲等及び鳥類の卵の採取等の許可)

 

第九条 学術研究の目的、鳥獣による生活環境、農林水産業又は生態系に係る被害の防止の目的、第七条第二項第五号に掲げる特定鳥獣の数の調整の目的その他環境省令で定める目的で鳥獣の捕獲等又は鳥類の卵の採取等をしようとする者は、次に掲げる場合にあっては環境大臣の、それ以外の場合にあっては都道府県知事の許可を受けなければならない。

 

 一 第二十八条第一項の規定により環境大臣が指定する鳥獣保護区の区域内において鳥獣の捕獲等又は鳥類の卵の採取等をするとき。

 

 二 希少鳥獣の捕獲等又は希少鳥獣のうちの鳥類の卵の採取等をするとき。

 

 三 その構造、材質及び使用の方法を勘案して鳥獣の保護に重大な支障があるものとして環境省令で定める網又はわなを使用して鳥獣の捕獲等をするとき。

 

2 前項の許可を受けようとする者は、環境省令で定めるところにより、環境大臣又は都道府県知事に許可の申請をしなければならない。

 

3 環境大臣又は都道府県知事は、前項の許可の申請があったときは、当該申請に係る捕獲等又は採取等が次の各号のいずれかに該当する場合を除き、第一項の許可をしなければならない。

 

 一 捕獲等又は採取等の目的が第一項に規定する目的に適合しないとき。

 

 二 捕獲等又は採取等によって鳥獣の保護に重大な支障を及ぼすおそれがあるとき(生態系に係る被害を防止する目的で捕獲等又は採取等をする場合であって、環境省令で定める場合を除く。)。

 

 三 捕獲等又は採取等によって生態系の保護に重大な支障を及ぼすおそれがあるとき。

 

 四 捕獲等又は採取等に際し、住民の安全の確保若しくは環境省令で定める区域(以下「指定区域」という。)の静穏の保持に支障を及ぼすおそれがあるとき。

 

4 環境大臣又は都道府県知事は、第一項の許可をする場合において、その許可の有効期間を定めるものとする。

 

5 環境大臣又は都道府県知事は、第一項の許可をする場合において、鳥獣の保護、生態系の保護又は住民の安全の確保及び指定区域の静穏の保持のため必要があると認めるときは、その許可に条件を付することができる。

 

6 環境大臣又は都道府県知事は、特定鳥獣保護管理計画が定められた場合において、当該特定鳥獣保護管理計画に係る特定鳥獣について第一項の許可をしようとするときは、当該特定鳥獣保護管理計画の達成に資することとなるよう適切な配慮をするものとする。

 

7 環境大臣又は都道府県知事は、第一項の許可をしたときは、環境省令で定めるところにより、許可証を交付しなければならない。

 

8 第一項の許可を受けた者のうち、国、地方公共団体その他適切かつ効果的に同項の許可に係る捕獲等又は採取等をすることができるものとして環境大臣の定める法人は、環境省令で定めるところにより、環境大臣又は都道府県知事に申請をして、その者の監督の下にその許可に係る捕獲等又は採取等に従事する者(以下「従事者」という。)であることを証明する従事者証の交付を受けることができる。

 

9 第一項の許可を受けた者は、その者又は従事者が第七項の許可証(以下単に「許可証」という。)若しくは前項の従事者証(以下単に「従事者証」という。)を亡失し、又は許可証若しくは従事者証が滅失したときは、環境省令で定めるところにより、環境大臣又は都道府県知事に申請をして、許可証又は従事者証の再交付を受けることができる。

 

10 第一項の許可を受けた者又は従事者は、捕獲等又は採取等をするときは、許可証又は従事者証を携帯し、国又は地方公共団体の職員、警察官その他関係者から提示を求められたときは、これを提示しなければならない。

 

11 第一項の許可を受けた者は、次の各号のいずれかに該当することとなった場合は、環境省令で定めるところにより、許可証又は従事者証(第四号の場合にあっては、発見し、又は回復した許可証若しくは従事者証)を、環境大臣又は都道府県知事に返納しなければならない。

 

 一 次条第二項の規定により許可が取り消されたとき。

 

 二 第八十七条の規定により許可が失効したとき。

 

 三 第四項の規定により定められた有効期間が満了したとき。

 

 四 第九項の規定により許可証又は従事者証の再交付を受けた後において亡失した許可証又は従事者証を発見し、又は回復したとき。

 

12 第一項の許可を受けた者は、第四項の規定により定められた許可の有効期間が満了したときは、環境省令で定めるところにより、その日から起算して三十日を経過する日までに、その許可に係る捕獲等又は採取等の結果を環境大臣又は都道府県知事に報告しなければならない。

 

13 絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律(平成四年法律第七十五号)第四条第三項に規定する国内希少野生動植物種及び同法第五条第一項に規定する緊急指定種に係る第一項の鳥獣の捕獲等又は鳥類の卵の採取等については、同法第十条第一項の許可を受けたとき、又は同法第五十四条第二項の規定により国の機関が環境大臣に協議をしたとき若しくは地方公共団体が環境大臣に協議しその同意を得たときは、第一項の許可(環境大臣に係るものに限る。)を受けることを要しない。

 

 (許可に係る措置命令等)

 

第十条 環境大臣又は都道府県知事は、前条第一項の規定に違反して許可を受けないで鳥獣の捕獲等若しくは鳥類の卵の採取等をした者又は同条第五項の規定により付された条件に違反した者に対し、次に掲げる場合は、当該違反に係る鳥獣を解放することその他の必要な措置を執るべきことを命ずることができる。

 

 一 鳥獣の保護のため必要があると認めるとき。

 

 二 生態系の保護のため必要があると認めるとき。

 

 三 捕獲等又は採取等に際し、住民の安全の確保若しくは指定区域の静穏の保持のため必要があると認めるとき。

 

2 環境大臣又は都道府県知事は、前条第一項の許可を受けた者がこの法律若しくはこの法律に基づく命令の規定又はこの法律に基づく処分に違反した場合において、前項各号に掲げるときは、その許可を取り消すことができる。

 

 (狩猟鳥獣の捕獲等)

 

第十一条 次に掲げる場合には、第九条第一項の規定にかかわらず、第二十八条第一項に規定する鳥獣保護区、第三十四条第一項に規定する休猟区その他生態系の保護又は住民の安全の確保若しくは静穏の保持が特に必要な区域として環境省令で定める区域以外の区域(以下「狩猟可能区域」という。)において、狩猟期間(次項の規定により限定されている場合はその期間とし、第十四条第一項の規定により延長されている場合はその期間とする。)内に限り、環境大臣又は都道府県知事の許可を受けないで、狩猟鳥獣の捕獲等をすることができる。

 

 一 次条、第十四条から第十七条まで及び次章第一節から第三節までの規定に従って狩猟をするとき。

 

 二 次条、第十四条から第十七条まで、第三十六条及び第三十七条の規定に従って、次に掲げる狩猟鳥獣の捕獲等をするとき。

 

 

  イ 法定猟法以外の猟法による狩猟鳥獣の捕獲等

  ロ 垣、さくその他これに類するもので囲まれた住宅の敷地内において銃器を使用しないでする狩猟鳥獣の捕獲等

 

 

2 環境大臣は、狩猟鳥獣(鳥類(狩猟鳥獣のうちの鳥類に限る。)のひなを含む。以下「対象狩猟鳥獣」という。)の保護を図るため必要があると認めるときは、狩猟期間の範囲内においてその捕獲等をする期間を限定することができる。

3 第三条第三項の規定は、前項の規定による狩猟期間の限定について準用する。

 

 (対象狩猟鳥獣の捕獲等の禁止又は制限)

 

第十二条 環境大臣は国際的又は全国的な対象狩猟鳥獣の保護の見地から、特に保護を図る必要があると認める対象狩猟鳥獣がある場合には、次に掲げる禁止又は制限をすることができる。

 

 一 区域又は期間を定めて当該対象狩猟鳥獣の捕獲等を禁止すること。

 

 二 区域又は期間を定めて当該対象狩猟鳥獣の捕獲等の数を制限すること。

 

 三 当該対象狩猟鳥獣の保護に支障を及ぼすものとして禁止すべき猟法を定めてこれにより捕獲等をすることを禁止すること。

 

2 都道府県知事は、地域の対象狩猟鳥獣の保護の見地から、特に保護を図る必要があると認める対象狩猟鳥獣がある場合には、前項の禁止又は制限に加え、同項各号に掲げる禁止又は制限をすることができる。

 

3 都道府県知事は、前項の禁止又は制限をし、又はこれを変更しようとするときは、環境大臣に届け出なければならない。

 

4 第九条第一項の許可を受けた者又は従事者は、第一項又は第二項の規定による禁止又は制限にかかわらず、当該許可に係る捕獲等をすることができる。

 

5 第二条第六項の規定は第一項の規定による禁止又は制限について、第四条第三項及び第七条第四項の規定は第二項の規定による禁止又は制限について準用する。

 

 (環境省令で定める鳥獣の捕獲等)

 

第十三条 農業又は林業の事業活動に伴い捕獲等又は採取等をすることがやむを得ない鳥獣若しくは鳥類の卵であって環境省令で定めるものは、第九条第一項の規定にかかわらず、環境大臣又は都道府県知事の許可を受けないで、環境省令で定めるところにより、捕獲等又は採取等をすることができる。

 

2 第三条第三項の規定は、前項の環境省令について準用する。

 

 (特定鳥獣に係る特例)

 

第十四条 都道府県知事は、特定鳥獣が狩猟鳥獣であり、かつ、その狩猟期間が第十一条第二項の規定により限定されている場合において、当該特定鳥獣に係る特定鳥獣保護管理計画の達成を図るため特に必要があると認めるときは、その狩猟期間の範囲内で、当該特定鳥獣に関し、同項の規定により限定された期間を延長することができる。

 

2 都道府県知事は、特定鳥獣が狩猟鳥獣である場合において、当該特定鳥獣に係る特定鳥獣保護管理計画の達成を図るため特に必要があると認めるときは、その都道府県の区域内で、環境大臣が当該特定鳥獣に関し行う第十二条第一項の規定による禁止又は制限の全部又は一部を解除することができる。

 

3 第四条第三項、第七条第四項及び第十二条第三項の規定は第一項の規定による期間の延長及び前項の規定による禁止又は制限の解除について、同条第四項の規定は前項の規定による禁止又は制限の解除について準用する。

 

 (指定猟法禁止区域)

 

第十五条 環境大臣又は都道府県知事は、特に必要があると認めるときは、次に掲げる区域について、それぞれ鳥獣の保護に重大な支障を及ぼすおそれがあると認める猟法(以下「指定猟法」という。)を定め、指定猟法により鳥獣の捕獲等をすることを禁止する区域を指定猟法禁止区域として指定することができる。

 

 一 環境大臣にあっては、全国的な鳥獣の保護の見地からその鳥獣の保護のため必要な区域

 

 二 都道府県知事にあっては、地域の鳥獣の保護の見地からその鳥獣の保護のため必要な当該都道府県内の区域であって前号の区域以外の区域

 

2 環境大臣又は都道府県知事は、前項の規定による指定をするときは、その旨並びにその名称、区域及び存続期間を公示しなければならない。

 

3 第一項の規定による指定は、前項の規定による公示によってその効力を生ずる。

 

4 指定猟法禁止区域内においては、指定猟法により鳥獣の捕獲等をしてはならない。ただし、環境大臣又は都道府県知事の許可を受けて当該許可に係る捕獲等をする場合は、この限りでない。

 

5 環境大臣又は都道府県知事は、第十一項において準用する第九条第二項の申請があったときは、当該申請に係る捕獲等が次の各号のいずれかに該当する場合を除き、前項の許可をしなければならない。

 

 一 指定猟法による捕獲等によって鳥獣の保護に支障を及ぼすおそれがあるとき。

 

 二 指定猟法による捕獲等によって生態系の保護に支障を及ぼすおそれがあるとき。

 

6 環境大臣又は都道府県知事は、第四項の許可をする場合において、鳥獣の保護又は生態系の保護のため必要があると認めるときは、その許可に条件を付することができる。

 

7 第四項の許可を受けた者は、その者が第十一項において読み替えて準用する第九条第七項の指定猟法許可証(以下単に「指定猟法許可証」という。)を亡失し、又は指定猟法許可証が滅失したときは、環境省令で定めるところにより、環境大臣又は都道府県知事に申請をして、指定猟法許可証の再交付を受けることができる。

 

8 第四項の許可を受けた者は、指定猟法により鳥獣の捕獲等をするときは、指定猟法許可証を携帯し、国又は地方公共団体の職員、警察官その他関係者から提示を求められたときは、これを提示しなければならない。

 

9 第四項の許可を受けた者は、次の各号のいずれかに該当することとなった場合は、環境省令で定めるところにより、指定猟法許可証(第三号の場合にあっては、発見し、又は回復した指定猟法許可証)を、環境大臣又は都道府県知事に返納しなければならない。

 

 一 第十一項の規定により読み替えて準用する第十条第二項の規定により許可が取り消されたとき。

 

 二 第十一項の規定により準用する第九条第四項の規定により定められた有効期間が満了したとき。

 

 三 第七項の規定により指定猟法許可証の再交付を受けた後において亡失した指定猟法許可証を発見し、又は回復したとき。

 

10 環境大臣又は都道府県知事は、第四項の規定に違反し、又は第六項の規定により付された条件に違反した者に対し、次に掲げる場合は、当該違反に係る鳥獣を解放することその他の必要な措置を執るべきことを命ずることができる。

 

 一 鳥獣の保護のため必要があると認めるとき。

 

 二 生態系の保護のため必要があると認めるとき。

 

11 第九条第二項、第四項及び第七項の規定は第四項の許可について、第十条第二項の規定は第四項の許可を受けた者について準用する。この場合において、第九条第七項中「許可証」とあるのは「指定猟法許可証」と、第十条第二項中「前項各号」とあるのは「第十五条第十項各号」と読み替えるものとする。

 

12 第一項の規定により都道府県知事が指定する指定猟法禁止区域の全部又は一部について同項の規定により環境大臣が指定する指定猟法禁止区域が指定されたときは、当該都道府県知事が指定する当該指定猟法禁止区域は、第二項及び第三項の規定にかかわらず、それぞれ、その指定が解除され、又は環境大臣が指定する当該指定猟法禁止区域と重複する区域以外の区域に変更されたものとみなす。

 

13 環境大臣又は都道府県知事は、指定猟法禁止区域の指定をしたときは、環境省令で定めるところにより、当該指定猟法禁止区域の区域内にこれを表示する標識を設置しなければならない。

 

 (使用禁止猟具の所持規制)

 

第十六条 第十二条第一項第三号に規定する猟法に使用される猟具であって環境省令で定めるもの(以下この条において「使用禁止猟具」という。)は、鳥獣の捕獲等の目的で所持してはならない。ただし、第九条第一項の許可を受けた者又は従事者が、当該許可に係る使用禁止猟具を用いて当該許可に係る捕獲等をする目的で所持する場合は、この限りでない。

 

2 使用禁止猟具は、販売し、又は頒布してはならない。ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。

 

 一 第九条第一項の許可を受けた者又は従事者に当該許可に係る使用禁止猟具を販売し、又は頒布するとき。

 

 二 輸出される使用禁止猟具を、あらかじめ、環境省令で定めるところにより、環境大臣に届け出て販売し、又は頒布するとき。

 

3 環境大臣は、第一項の環境省令を定めようとするときは農林水産大臣及び経済産業大臣に、前項第二号の環境省令を定めようとするときは経済産業大臣に、協議しなければならない。

 

 (土地の占有者の承諾)

 

第十七条 垣、さくその他これに類するもので囲まれた土地又は作物のある土地において、鳥獣の捕獲等又は鳥類の卵の採取等をしようとする者は、あらかじめ、その土地の占有者の承諾を得なければならない。

 

 (鳥獣の放置等の禁止)

 

第十八条 鳥獣又は鳥類の卵の捕獲等又は採取等をした者は、適切な処理が困難な場合又は生態系に影響を及ぼすおそれが軽微である場合として環境省令で定める場合を除き、当該捕獲等又は採取等をした場所に、当該鳥獣又は鳥類の卵を放置してはならない。

 

 

    第二節 鳥獣の飼養、販売等の規制

 (飼養の登録)

第十九条 第九条第一項の規定による許可を受けて捕獲をした鳥獣のうち、対象狩猟鳥獣以外の鳥獣(同項の規定により許可を受けて採取をした鳥類の卵からふ化させたものを含む。第二十二条第一項及び第八十四条第一項第七号において同じ。)を飼養しようとする者は、その者の住所地を管轄する都道府県知事の登録を受けなければならない。ただし、第九条第四項に規定する有効期間の末日から起算して三十日を経過する日までの間に飼養するときは、この限りでない。

 

2 前項の登録(以下この節において単に「登録」という。)を受けようとする者は、環境省令で定めるところにより、都道府県知事に登録の申請をしなければならない。

 

3 都道府県知事は、登録をしたときは、その申請をした者に対し、環境省令で定めるところにより、登録票を交付しなければならない。

 

4 登録の有効期間は、登録の日から一年とする。

 

5 前項の有効期間は、登録を受けた者又は次条第一項の規定により登録鳥獣(第一項の規定により登録を受けた鳥獣をいう。以下この節において同じ。)の譲受け又は引受けをした者の申請により更新することができる。

 

6 登録鳥獣を飼養している者は、その者が第三項の登録票(以下単に「登録票」という。)で当該登録鳥獣に係るものを亡失し、又は登録票が滅失したときは、環境省令で定めるところにより、都道府県知事に申請をして、登録票の再交付を受けることができる。

 

 (登録鳥獣及び登録票の管理等)