フォーラム「いま、沖縄の自然があぶない!」
集会アピール
2001年9月29日
 沖縄の自然を愛するみなさま

9/29日のフォーラム「いま、沖縄の自然があぶない!」の成功、感謝致します。
参加者一同にて採択されたアピールを転載させて頂きます。今後とも、本フォーラムを第一歩とする沖縄の自然総体を守る活動へのご支援とご指導よろしくお願い致します。

八重山・白保の海を守る会 生島 融
北限のジュゴンを見守る会 鈴木 雅子
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集会アピール
 私たちは、日本列島の南西の端に位置する琉球諸島−沖縄の類い稀なる風土と自然をこよなく愛し、その貴重な生態系を損なうことなく、次の世代に残したいと願っています。 しかし私たちの愛するこの沖縄の自然は、いま、最大の危機に瀕しています。
 1972年の「本土」復帰以降、湯水のように投入された公共事業や米軍の演習、そしてあらたな基地建設などによって、この生物多様性の宝庫である貴重な生態系は、無惨にも破壊されました。豊かな森はブルドーザーや砲弾によって蹂躙され、流出する赤土は海を汚し、またサンゴ礁や干潟は次々と埋め立てられました。長い年月をかけてつくられた沖縄の貴重で特異な自然生態系は、わずか20数年の間に限られた地
域だけにしか存在しなくなりました。そしてそこに生息する希少な生き物も絶滅の危機にさらされています。しかしそれにもかかわらず、今もなお新たな開発や基地建設による自然破壊はとどまることを知りません。
 いますぐ、無駄な公共事業や基地建設をストップしなければ貴重な沖縄の自然は永遠に失われてしまいます。そして沖縄は、自然の豊かさや平和とはほど遠い島になってしまうでしょう。 ほんとうの沖縄の自立と発展を考えたとき、かけがえのない自然を破壊するのではなく、それを大切に守り、活かしていくことこそ求められているのではないでしょう か。
 本日のフォーラムにおいて私たちは、沖縄の自然の素晴らしさを再認識する一方、その破壊の惨状にこころを痛めています。世界的に貴重な沖縄の自然は、人類だけのものではなく、ましてや沖縄や日本だけのものでもない、生きとし生けるものすべての宝物です。私たちは沖縄がかけがいのない自然を失い、コンクリートに固められた軍事要塞と化することをきっぱりと拒絶し、また、無駄な公共事業や「本土」資本によるこれ以上の環境破壊を決して許さず、沖縄が平和で豊かな自然に恵まれた島々として甦るために、日本全国の人々が力と知恵を合わせてゆくことが必要だと考えます。マスメディアには連日、今にも米国政府による軍事行動が開始されるかののような報道が溢れています。
 私たちは、沖縄がコンクリートで固められ、かけがいのない自然を失い、そして軍事要塞化された島々になることを決して望みません。また、無駄な公共事業や「本土」資本によるこれ以上の環境破壊を決して許しません。沖縄が平和で豊かな自然に恵まれた島々として生きていくために、日本全国の人々が力と知恵を合わせてゆくことが必要と考えます。
マスメディアは連日、今にも米国政府がアフガニスタンへの軍事行動を開始するかのような報道をしています。私たちは、多くの生命を奪い、環境を破壊する戦争に反対し、これまで失われたすべての命を深く思いながら、これから生まれるすべての命に沖縄のすばらしい自然を引き継ぐために、以下のことを、日本政府と沖縄県に対し、強く求めます。

1、沖縄の貴重な自然とその生態系を保全するために、条例の制定や、新たな立法措置を含めてただちに具体的な方策の検討を始めてください。

2、新石垣空港カラ岳陸上案は、世界的に貴重な白保サンゴ礁生態系に取り返しのつかない重大な影響を与えます。ただちに白紙撤回してください。

3、国際的な保護動物であるジュゴンが生息する沖縄島東海岸辺野古(へのこ)沖の新たな米軍基地建設計画は、貴重な海棲哺乳類ジュゴンの生息地を破壊し、絶滅の危機に追いやるものです。ただちに撤回してください。

4、バブル期のずさんな計画で進められようとしている沖縄島の東部海浜開発計画は沖縄最後で最大の干潟・泡瀬干潟を破壊するものであり、同計画の白紙撤回を求めます。

5、やんばるの森は、世界のここだけにしかいない希少な生き物が多く生息する優れた自然生態系です。米軍のヘリパッド基地建設やあらたな公共事業は、それらを絶滅の危機に追いやります。すべての計画の撤回を求めます。

  フォーラム「いま、沖縄の自然があぶない!」参加者一同