環境省は、
沖縄のジュゴンの絶滅を促進する恐れのある現況調査をただちに中止し、
生物多様性国家戦略にのっとり、沖縄のジュゴンの保護に尽力せよ!


2007年5月17日

 

 4月24日、那覇防衛施設局は環境アセスメント法を無視し、アセスの前に生態系の撹乱のおそれのある事前調査に着手しました。
 この事態に対し、地元からの緊急要請行動で環境省は、「防衛省の所轄業務に介入しない」という立場を取り、沖縄県の「公共財産使用協議書」の内容の認識もなく、沖縄県知事の「使用に当たっての配慮事項」への確認すらされていない事実が判明しました。

 そもそも今回、実施されようとしているジュゴンの音響による生息確認調査の基礎となった研究は、絶滅の恐れのあるジュゴンの漁網による「混穫」を防ぐための研究であり、ジュゴンの絶滅を促進するような目的に使用されるものではなかったはずです。また、私たちの確認した限りにおいて、この研究は、ジュゴンのたくさん生息するタイ国の南部において実施されたものです。

 周知のように沖縄のジュゴンの生息数は決して多いものではなく、それゆえに絶滅が心配されています。そのような状況の中で、わずかな期間に正確な調査が可能であるのか、どうかははなはだ疑問です。むしろ、現在入手する資料に基づく限りでは、ジュゴンの採餌に使用するリーフのクチに大規模な装置を広範囲に固定し、夜間も照明で照らすなど、繊細で臆病な沖縄のジュゴンにとっては数の少ない餌場を放棄する可能性すら予想されます。

 また、この研究に携わった専門家が、ジュゴンの脅威になるような付属装置(水中カメラ、ライトブイ等)についての確認がなされたのか?今調査が、どのような条件の中で、いかなる形で実施されようとしているかの確認も明らかにされていません。

すでに、先立って実施されようとしているサンゴの産卵調査については、専門家から大きな疑問と調査への否定的な意見が提出されています。

全てが闇の中で、自国の軍隊まで動員し、既成事実だけを進行させ、結果、辛うじて生き延びたジュゴンをその生息域から追い出す恐れに対し、「沖縄のジュゴン」の保護を目的として活動する私たちは強く警告を発し、国際世論にこの事実を訴えて行きます。

 本来、国の生物多様性の保全に責任を持ち、そのために各省庁の横断的施策を謳った「生物多様性国家戦略」まで作成した環境省が、天然記念物であり、国際保護動物であり、今の日本で最も絶滅の危機に瀕しているジュゴンの生息域に対する脅威を「管轄外」として放置することは、決して許されるものではありません。

環境省はただちに防衛省の違法な調査の中止と沖縄のジュゴンの保護に向けて、省庁の存続を賭けて尽力してください。

2007年5月17日  
那覇防衛施設局による米軍基地建設のための作業ヤードの設置作業を阻止するための行動の直前の名護より
                      北限のジュゴンを見守る会   鈴木雅子